農家紹介

有限会社 横田農場
「横田さんのお米を食べて、息子が高校生まで育ちました」 こんな嬉しい言葉をもらえる食べ物って、そうそうない。

有限会社 横田農場

「横田さんのお米を食べて、息子が高校生まで育ちました」 こんな嬉しい言葉をもらえる食べ物って、そうそうない。

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店頭用POP配布

店舗様向けに、本ページで紹介している農家の店頭用POPを配布しています。
下記「プリントする」ボタンをクリックするとブラウザの印刷ダイアログが表示されますので、ご自由にプリントアウトしてご活用ください。

東京ドーム40個分の田んぼをたった10人で管理!

茨城県龍ケ崎市で800年以上前から続く米農家から生まれた「お米のプロ集団」、横田農場の横田 修一(よこた しゅういち)さん。現在の田んぼの面積はなんと168ha。東京ドーム40個分の広さの畑を、横田さんをはじめ10人で管理しています。田んぼのうち、有機栽培米は3haのみ。特別栽培米が155haと最も多く、残り10haは慣行栽培で育てています。

有機栽培を始めたのは有機JAS制度が発足する少し前の1999年から。横田さんが米作りを始めて3年目の頃でした。当時の田んぼの面積は全体で20ha。有機栽培米は20a(0.2ha)の田んぼからはじめました。その頃、収穫したお米は全てJAに出荷していたのですが、横田さんは農協だけでなく「自分の責任で売りたい」という考えがあったので、まずは有機栽培米を自社のホームページで売ってみることに。当時は有機JAS制度ができたばかりの頃だったので、有機JAS制度に基づいて栽培していることを伝えることで差別化になると考えてのことでした。

自分の手で直接お客さまへお米を売ってみてわかったのは、農家としてお客さまの声を直接聞けるようになったこと。「美味しい」という感想だけではなく、「美味しくない」という意見もありましたが、その全てが励みになりました。中でも多く寄せられたのが、「子育て中なので、子どもに少しでも安心なものを食べさせたい」という要望。その要望や期待に応えるために、50aだった有機栽培の田んぼを少しずつ増やしていき、現在に至ります。

有機栽培のお米の味を数値で表すのはとても難しいですが、よく買ってくださるお客さまからは、「昔のお米の味がする」とか、「甘い」といった感想が寄せられるのだそう。横田さんはただお米を売るのではなく、お米を育てているときの環境や、どういう考えで育てているかなど、様々なストーリーをあわせて伝えるようにしています。

食べる人たちの顔が浮かんでくるから、努力できる

現在は全てのお米を自社で直接販売している横田農場のお米は、自社のオンラインショップだけでなく、地元のスーパーや、近所のラーメン店、総合病院の中にあるレストラン、お酒やおせんべいの原料米など、様々な場所でたくさんの人々に食べられています。横田農場の年間の収穫量はおよそ900トン。日本人1人あたりのお米の年間消費量は50kgほどと言われているので、1万8000人もの食卓を支えていることになります。

日本の食卓の主食であるお米は、特別な食べ物ではありませんが、みんなが毎日食べるもの。全てのお米を自分たちの手で育てて販売しているからこそ、食べている人たちの顔が浮かぶ。「あの人が食べているからと思うと、日々の仕事も違ってきます。いいかげんなことはできません」と横田さんは話します。

ある時、自社で販売まで行うようになった当初からご購入いただいているお客さまから電話がありました。その方は東京の離島にお住まいで、毎月10キロ買ってくれていましたが、来月から5キロに減らしてください、と言います。聞くと、息子が高校生になって、隣の島で生活することになったので、10キロは必要なくなった、とのこと。

「息子は横田さんのお米を食べて高校生まで育ちました。ありがとうございます」

電話越しにそんな言葉をかけてくださったお客さま。横田さんは、こんな言葉をいただける食べ物ってそうそうないよなぁ、という嬉しさと同時に、日本の食卓を支えるという責任感、社会に貢献している充実感を感じたといいます。

「自分の子ももちろん、自分たちが作ったお米で育ったので、作る側の都合で農薬を使う・使わないのではなくて、食べてくれる方たちのために少しでも美味しく作れるように、努力していきたいですね」と横田さんは笑顔で語ってくれました。

これからも米作りを続けるために。先進技術も積極活用

農業を始めて25年。横田農場を継いで15年目を迎えた横田さん。田んぼの面積は始めたころの8.5倍ほどに広がりました。なぜこんなに広がったかというと、周りの農家さんたちの「もう自分たちは続けられないから、田んぼを任せたい」という頼みを聞いていたらどんどん広がってしまった、とのこと。横田さんの優しい人柄がうかがえます。

とはいえ闇雲に規模を拡大することが良いことだとは思っていません。800年以上代々この地で続けた米作りを、これからも続けていけるかどうか。持続性が大切だと横田さんは考えています。

特に近年は気候変動が激しく、かなり厳しい米作りが続いています。横田さんが農業を始めたころの10年は普通に収穫できていましたが、その後15年はいつものように育てても収量が足りない、それが年々ひどくなっている、という状況。そのような厳しい条件下において、横田さんは米作りを続けるため、積極的にスマート農業と呼ばれるような先端技術を取り入れています。さらに、少しでも地球温暖化のペースを遅くできるよう、水田から出るメタンガスを抑えるため、藁を土の中に鋤き込んだりなど、様々な工夫を凝らし日々試行錯誤を続けています。

「ITが進歩して社会が変わっていく中だけど、これから先も人間は食べ物を食べ続けるだろうし、農業生産も、形は変わったとしても必要なくなるということはないと思うんです。農業という、これからも世の中に必要とされていく産業に携わっているんだと思うと、すごくやりがいを感じますね。」と横田さん。

自分たちがつくったお米を食べる人、一人ひとりの笑顔、そして日本の未来を、これからもずっと支え続けるために。横田農場のみなさんは今日も、お米づくりを頑張っています。

生産者情報

有限会社 横田農場

代表取締役:横田修一
住所:茨城県龍ケ崎市塗戸町2047
HP:https://yokotanojo.co.jp/
主な栽培品目:米